施術所を営んでいる方の中には、出張で施術をおこなっている人もいれば、これから出張での施術を検討している人もいることでしょう。そんな時に便利なのが持ち運びのできるベッドです。

ただ、持ち運びができればどんなベッドでも構わないというわけではありません。

そこで今回は、持ち運び用のベッドを選ぶ際のポイントや、使用上の注意点、また施術スタイル別におすすめのベッドを紹介します。

持ち運びできる施術ベッドの特徴

ベッド持ち運びできる施術ベッドは、一般的な据え置き型の施術ベッドと比べ、どんな特徴があるのでしょうか。

比較的軽量に作られている

一般的な施術ベッドと比べた場合、持ち運びタイプの施術ベッドは比較的軽量に作られています。フレームの素材にアルミを用いるなどして、一定の強度を保ちつつ、軽量化を実現しています。

以前は施術ベッドを軽量化すると、マットをある程度は薄くする必要がありました。

ところが、最近の持ち運びベッドは強度を保ったままの軽量化に成功しているので、マットを薄くする必要がありません。そのため、据え置き型のベッドと同じように、患者さんが快適に施術を受けられます。

安価で購入できるものが多い

施術所などで用いられている据え置き型のベッドと比べると、持ち運びタイプの施術ベッドは、比較的安価で購入できるものが多いようです。

コンパクトに収納できる

持ち運びできる施術ベッドはコンパクトに収納できるので、出張整体をおこなう際にとても役に立ちます。車のトランクに積んで運ぶこともできますし、肩から下げて電車で移動するのにも便利です。

また、施術所のスペースがあまり広くない場合、折りたたんで収納しておけばリハビリ運動療法ストレッチなどをするスペースが確保できます。

これらは据え置き型のベッドにはない、持ち運びタイプのベッドならではの特徴です。

持ち運びできる施術ベッドを選ぶ際のポイント

ポイント据え置き型のベッドと比べた場合、持ち運びタイプのベッドは携帯性に優れていますが、それでもやはり選ぶにあたっては気を付けるべきポイントがあります。

重さはどうか

持ち運びタイプのベッドは、据え置き型のベッドと比べればはるかに軽いですが、それでも移動手段によっては重さに気を付ける必要があります。

車で移動するのであれば少し重くても構いませんが、電車と徒歩で移動することを考えた場合、やはり10㎏を超えるような重量のベッドは身体への負担を増します。

男性ならともかく、女性にとって10㎏を超える重量のベッドは持ち運ぶのが大変です。できれば10㎏を切る重量のベッドを選ぶようにしましょう。

施術スタイルに合っているか

出張で持ち運びタイプのベッドを使う人の中には、マッサージをメインでおこなう人もいれば、骨盤矯正をメインでおこなう人、鍼灸の施術をメインにおこなう人もいると思います。その場合、施術スタイルに合ったベッドを選ぶ必要があります。

・マッサージをメインでおこなうのであれば、ある程度の幅があるベッドをえらぶ
・骨盤矯正をメインでおこなうのであれば、ベッドの上で患者さんが滑らないよう、手を置く台や、フェイスマットが付いているベッドを選ぶ
・鍼灸の施術をメインでおこなうのであれば、低床(脚の部分が極めて短い)のポータブルベッドを選ぶ

ベッドの選び方を間違えると、施術の効率が悪くなるだけでなく、身体への負担も増してしまいます。自分の施術スタイルに合ったベッド選びを心がけましょう。

耐荷重量はどれくらいあるか

持ち運びタイプのベッドを選ぶときには、耐荷重量にも注目しましょう。たいていのベッドは200㎏以上の耐荷重量があり、ベッドによっては300㎏まで耐えられるものもあります。

その数字だけ見ると患者さんの身体がよほど大きくない限り、どのベッドでもいいように思われるかもしれません。

ただ、耐荷重量が大きいベッドの方が安定感に優れていますし、背骨の矯正などベッドに大きな負荷がかかった時に、ヒビが入ったり破損したりするリスクが低いです。

高さが変えられるかどうか

最近の持ち運びタイプのベッドの中には、高さを変えられるタイプのベッドもあります。

高さを変えられると、施術中に身体へとかかる負担が減らせるので、快適に施術をおこなえます。

患者さんが快適に施術を受けられるかどうか

マッサージを中心とした施術をおこなう場合、患者さんの快適度も考慮に入れるべきです。なぜなら、長時間うつ伏せになって施術を受ける際、ベッドのクッション性が低いと患者さんの身体にかかる負担が増すからです。

また、マッサージをメインにするのなら、顔の部分に穴の開いた有孔(ゆうこう)タイプのベッドがおすすめです。患者さんが楽に呼吸できるので、長時間の施術も苦になりません。

持ち運びできる施術ベッドはこんな方におすすめ

おすすめ持ち運びタイプのベッドというと、出張での施術をおこなう人におすすめのイメージがありますが、それ以外のシーンでも持ち運びタイプのベッドが活躍します。

自宅兼施術所の方

施術師の中には会社組織に属して施術をおこなっている人も入れば、独立開業して、テナントを借りている人もいます。また、自宅を改造して施術所にしている人もいれば、マンションの一室で施術所を営んでいる人もいることでしょう。

持ち運びタイプのベッドは、自宅兼施術所の人や、マンションの一室で施術をおこなっているにおすすめです。

施術所が自宅兼用の場合、患者さんのいない時間帯はベッドをたたんでおくことで、住空間を広く使うことが可能です。

マンションの一室で施術をおこなっている場合、ベッドをたたんでおけば、患者さんに運動療法をおこなったり、ストレッチを指導したりするスペースが確保できます。

自宅でも施術の技術を磨きたい方

整体の施術法は実に様々で、毎年のように新しい施術法が生み出されています。そのような技術を高める練習をするときに、持ち運びタイプのベッドが便利です。

ある程度のキャリアがあれば、新しい施術法にもすぐ順応できますが、キャリアが浅い場合、一定の修練を積む必要があります。そんな時に持ち運びタイプのベッドがあれば、自宅に持ち帰って家族などを相手に施術の練習ができます。

持ち運びできる施術ベッドを使用する際の注意点

注意点持ち運びタイプのベッドがあれば良いことばかりのように思えますが、実際に使用する際にはいくつかの注意点があります。

不安定な場所に設置しない

据え置き型のベッドと比べると、かなり軽いのが持ち運びタイプのベッドのメリットですが、その分、安定性に欠けることも事実です。

設置する場所が不安定な場合、施術の効率が悪くなるだけでなく、患者さんがベッドから落ちるリスクも増します。設置する場所には十分気を付けましょう。

家具を傷つけないよう気を付ける

出張マッサージなどで患者さんのお宅を訪れる場合、ベッドを組み立てるときに家具を傷つけないよう、十分に注意する必要があります。

何度か通っているお宅ならともかく、初めて訪れるお宅で家具を傷つけると、心証が悪くなるだけでなく、損害賠償を求められる可能性もあります。

極端な力をかけない

持ち運びタイプのベッドも安全面を十分に考慮しているので、通常のマッサージ程度でベッドが破損するようなことはありません。

ただ、整体の施術に際してランバーロールをおこなう際や、胸椎の棘突起を矯正する場合など、非常に強い圧力がベッドにかかると、ベッドを損傷するリスクを高めます。

極端な力がかかるような施術をおこなう可能性があるのであれば、初めから耐荷重量が300㎏はある、強度の高いベッドを選ぶようにしましょう。

ベッドの高さを変えるときに物を置かない

持ち運びタイプのベッドにも、ベッドの高さが変えられるものがありますが、高さを変えるときに、ベッドの上に物を置かないようにしましょう。

物を置いたままベッドの高さを変えると、上に置いたものが転落して床を傷つけたり、施術師自身の脚を傷つけたりするリスクが高くなります。

ベッドカバーやフェイスカバーを利用する

持ち運びタイプのベッドに限ったことではありませんが、施術をする際にはベッドカバーやフェイスカバーを利用するのがおすすめです。

ベッドカバーやフェイスカバーをしておけば、ベッドを清潔に保つことができますし、レザーカバーが傷つくリスクも下げられます。

まとめ

・持ち運びタイプのベッドは軽量かつ強度もしっかり保たれている
・持ち運びタイプのベッドは安価で購入できて収納にも便利
・自分の施術スタイルに合ったベッドを選ぶことが重要
・出張で持ち運びタイプのベッドを使う場合は安全に気を付ける

持ち運びタイプのベッドは出張での施術はもちろん、自宅で技術を磨くための施術用ベッドにするのも良いですし、スペースの余裕がない施術所にもおすすめです。

最近の持ち運びベッドは軽さと頑丈さを両立しているので、据え置き型のベッドと比べても遜色ありません。そのため、施術所のメインベッドとして使っても良いでしょう。

ただ、やはり強度という点では据え置き型のベッドに劣るので、出張先で使うときには、安定性に十分気を付け、患者さんがリラックスできるよう心がけましょう。