鍼灸文化の発祥地・茨木へ「バック・トゥ・ザ・フューチャープラザ」!

今大会は、2018年に開催された第46回日本伝統鍼灸学会学術大会(第27回日本刺絡学会学術大会併催)と同じく、
立命館いばらきフューチャープラザで開催される運びとなりました。
茨木の地は、現在判明している最古の鍼術流派「今新流」の開祖・茨木元行が暮らした、日本鍼灸文化の発祥地とも言える重要な場所です。
(詳しくは茨木市鍼灸師会ホームページをご参照ください。https://ibarakihari9-city.com/genkyo/
そのような地で再び学会が開催される、まさに「バック・トゥ・ザ・フューチャープラザ」というわけです。

大会テーマ「日本鍼灸と儒・仏・道」〜なぜ鍼灸に人文知が必要なのか〜

今回のテーマは「日本鍼灸と儒・仏・道―臨床に活きる東アジア思想―」です。
立命館大学アジア・日本研究所准教授の向静静先生をはじめ、医史学や人文科学に関する講演が数多く並ぶ点が、本大会の大きな特徴です。

なぜ鍼灸に人文知が必要なのでしょうか。
その理由は、歴史的な医学書の記述が、現代医療に大きな発見をもたらすことがあるからです。

例えば、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した中国の薬学者・屠呦呦(トゥ・ヨウヨウ)氏は、東晋時代の医学書『肘後備急方』(4世紀前半)の記載から、マラリアの特効薬となるアルテミシニン発見に至りました。古い文献が、現代の命を救う薬につながったわけです。

古典を中心とした人文知には、日々の臨床を前進させるヒントが今なお眠っています。
そしてそれは、古典を重視する一部の鍼灸師だけが受ける恩恵ではなく、すべての鍼灸師の日々の臨床と繋がっているのです。

基調講演・会頭講演のご紹介

今大会の見どころを紹介させていただきます。
大会テーマに掲げた「日本鍼灸と儒・仏・道―臨床に活きる東アジア思想―」を象徴する《基調講演》では、
儒教について向静静先生(兼《会頭講演》)仏教について神野英明先生(神野中医学鍼灸院院長)道教について宮川浩也先生(日本内経医学会元会長)にご登壇いただきます。

向先生は『儒学と医学―近世東アジアの医の交流―』を、
神野先生は『禅と撃針(乾の巻・坤の巻)』を、
宮川先生は『無心の鍼―森共之と沢庵宗彰―』をそれぞれ上梓されており、
3名の先生には各ご著書のエッセンスを存分に語っていただきます。

【目玉企画】日本鍼灸史の大発見!幻の「藤木家文書」研究発表

また、本大会のもう一つの目玉は、何と言っても「藤木家文書」の研究発表です。

2024(令和6)年の正月に突如として市場に現れた幻の「藤木家文書」を、日本伝統鍼灸学会が購入いたしました。
打鍼本流の御薗家と双璧をなした、朝廷の鍼博士・藤木家の一次史料が奇跡的に現存していたことは、まさに日本鍼灸史における大発見です。

今大会の実行委員長である長野仁先生のお声掛けのもと、和辻直会長をはじめ、理事会・評議員会の諸先生方のご英断によって、本学会、ひいては日本鍼灸界の共有財産とすることが叶いました。

今回、その「藤木家文書」の大半の翻刻を手がけられた海原亮先生(住友史料館副館長)と、長野仁先生による研究発表が行われます。
日本鍼灸史を紐解くうえで決して見逃せない貴重な講演です。

【シンポジウム】流派による違いを深掘りする「腹診」

1日目の午後にはシンポジウムを予定しております。テーマは「腹診」です。

座長は篠原昭二先生(元九州看護福祉大学教授)に、パネリストとして、いやしの道協会の堀雅観先生積聚会の高橋大希先生北辰会の飯野祐二先生にご登壇いただきます。

会派による診かた・診たて・選穴・施術などの相違点を明確にして、腹診の多様性と今後の可能性について議論を深めていただきたく思います。

【実技供覧】秘伝公開!達人たちによる日々の臨床のコツと口訣

日本伝統鍼灸学会に参加する目的が、実技供覧を見るためという先生も多いのではないでしょうか。
今大会でも「秘伝公開!日々の臨床のコツと口訣」と銘打った実技供覧を多数プログラムに含んでいます。

日本経絡学会としてスタートした本学会は、接触鍼や浅刺置鍼といった弱刺激を基軸としておりますが、学会名に「伝統」を掲げるからには強刺激を度外視すべきではありません。

究極の長鍼「巨針」

その最たる刺法が、新城三六先生(新城針灸治療院院長)が駆使する、古代九鍼・八番目の長鍼の究極形態である巨針です。
黒竜江省・張雲飛老師直伝の、全長50〜100cm・直径0.8mmもある巨針の響きは、一見すると荒療治のようでありながら、実際はきわめて繊細で信じられないほどの心地よさを秘めています。

切る機能を備えた特殊鍼「小鍼刀」

古代九鍼・第五番目の鈹鍼に通ずる機能を持つ、小鍼刀をご存知でしょうか。

鍼先がマイナスドライバーのような形状で、「切る(剥離する)」機能を備えた特殊な鍼です。
本実演では、石原克己前会長の後継者である間純一郎先生(東京九鍼研究会代表)に、小鍼刀を用いた緊張感漂う刺鍼操作を公開していただきます。

現代の刺絡鍼法へと繋がる「鋒鍼」

古代九鍼・第四番目の鋒鍼は、『太平聖恵方』(992年成立)99巻から三稜鍼と称されるようになり、それが現代の刺絡鍼法へと繋がってまいりました。本実演では、関西の刺絡界を長年牽引してこられた古参の重鎮、濱中力先生(日本刺絡学会理事)をお迎えし、安心・安全を徹底した刺絡の確かな実技指導を仰ぎます。

一瞬も目が離せない「打鍼と腹診」

腹診シンポジウムとあわせて見逃せないのが、何といっても打鍼です。
北辰会設立者・藤本蓮風先生が現代に即して再構築された腹診と打鍼について、代表理事に就任された藤本新風先生が直々にその技を公開してくださいます。
腹部への繊細な触れ方、打鍼の立て方、見事な槌さばきまで、一瞬たりとも目が離せません。

創作落語からデロリアンまで!?充実の「市民公開講座」

今大会は茨木市の後援を得ており、「市民公開講座」も充実しています。

第1席:創作落語「光秀と元行」

第1席は、落語家の桂福丸師匠に創作いただいた「光秀と元行―鍼聖茨木元行外伝―」を演じていただきます。
明智光秀と茨木元行は同時代の人物であり、鍼術に長けていたことが知られています。
もし光秀に鍼を伝授したのが元行だったら果たして本能寺の変は……という壮大な創作落語をご堪能いただけたらと思います。

第2席:モヤモヤ血管と運動器カテーテル療法

第2席は、「痛みよさらば!―撃退!モヤモヤ血管―」と題して、奥野祐次先生が開発した「運動器カテーテル療法」について澁谷真彦先生(オクノクリニック神戸三宮院院長)に実例を交えながら解説していただきます。
治りにくい慢性的な痛みの原因は、炎症で発生した異常な新生血管(モヤモヤ血管)とする学説は、刺絡の治効原理と一脈通ずるところがあり、来場された市民の皆様だけでなく、我々鍼灸師にとっても大変有意義な講演となるでしょう。

特別展示:デロリアンのレプリカ登場

「市民公開講座」は2日目の午後ですが、大会実行委員でもある茨木市鍼灸師会の松尾正己先生の尽力により、
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシン、デロリアンのレプリカ(非公式)の展示を同日(2日目の9時~13時)に実施いたします。
試乗はできませんが、レプリカの前での記念撮影は可能とのことです。

大会へのご参加・アーカイブ配信について

まだまだ紹介しきれていないプログラムが沢山ありますが、ぜひ大会ホームページをご覧いただき、多くの方にご参加いただければ幸いです。
https://54-osaka.jtams.com

また、一部のプログラムを除き、参加者限定のアーカイブ配信も後日実施予定ですので、茨木まで足を運ぶのが難しいという方も、ぜひご参加ご検討ください(アーカイブ配信のみの受付はございません。現地参加されず視聴をご希望の方は通常の参加申込みをお願いいたします)。
間違いなくご満足いただける大会になるよう、実行委員一同で準備しております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

開催概要

大会名: 第54回日本伝統鍼灸学会学術大会 大阪大会
主催: 日本伝統鍼灸学会
開催日: 令和8(2026)年9月5日(土)・6日(日)
会場: 立命館いばらきフューチャープラザ(〒567-0871 大阪府茨木市岩倉町2-150)
主なプログラム: 会長講演、基調講演・会頭講演、教育講演・実技供覧、市民公開講座などが予定されています。
また、一般演題の募集や発表奨励賞についても案内されています。
お申込みについて: 2026年7月1日より事前申込が開始されています。
大会参加登録に加えて、懇親会の参加登録やお弁当の事前申込も可能です。

メイプル名古屋も展示参加します!

本大会には、株式会社メイプル名古屋も企業展示ブースを出展いたします!
会場へお越しの際は、ぜひお気軽にブースへお立ち寄りください。新商品やおすすめの鍼灸用品を取り揃えて、皆様にお会いできることをスタッフ一同楽しみにしております。

【7/29開催】東方会様とのコラボセミナー:
〜刺激が苦手な患者さんにもできる鍼治療〜『ゼロから学ぶ はじめての接触鍼法』

さらに、学会開催に関連して東方会様とメイプル名古屋のコラボ企画としてオンラインセミナーを開催いたします。
刺激が苦手な患者さんにも対応できる「接触鍼法」をゼロから学べる必見の内容となっております。ぜひあわせてご参加ください!

ACUDEMICセミナーvol.5
東方会×メイプル名古屋コラボ企画
〜刺激が苦手な患者さんにもできる鍼治療〜
『ゼロから学ぶ はじめての接触鍼法』

【内容】
・いろいろな鍼灸の世界‐流派ってなに?‐
・接触鍼法とはなにか?
・オンライン実技セッション:接触鍼法をやってみよう!
・鍼上達の方法
・学会に行ってみよう!

【講師】
山本 和臣(やまもと かずおみ)先生
経和堂鍼灸接骨院 院長
東方会 副会長 / 機関誌『鍼灸医学』編集長
日本伝統鍼灸学会 理事・外渉部副部長

【開催概要】
日時:2026年7月29日(水)21:00~22:00
対象:鍼灸師・鍼灸学生・医師
開催方法:ZOOM(100名を超える場合は別途YoutubeLiveでも配信)
アーカイブ:有り ※期限付き

★手元に鍼をご用意いただきご参加ください。
推奨はユニコディスポ鍼 Pro 8P(240本入り)長柄 0番1寸、もしくは一寸~寸三、0~1番

運営:株式会社メイプル名古屋 鍼灸企画部
後援:日本伝統鍼灸学会