【ACUDEMIC:鍼灸論文から考える臨床のヒント】

日々患者さんと向き合う鍼灸師の先生方、鍼灸学生の皆様、こんにちは!
勉強したいけど、忙しくてなかなかゆっくり時間がとれない…
そんな先生方のお力になれたら…
そして鍼灸の素晴らしい効果をより多くの方に知っていただきたいという想いから、
「ACUDEMIC」(アキュデミック)という企画を立ち上げました!

「ACUDEMIC(アキュデミック)」とは?

「ACUDEMIC」は、Acupuncture(鍼灸)とAcademic(学術)を組み合わせた造語で、
鍼灸の学術論文を要約し、理解しやすい形でお届けすることを目指しています。
鍼灸の最先端研究を発信することで、鍼灸の魅力を発信するお手伝いができれば幸いです。

今回ご紹介するのは、韓国の鍼灸研究、「急性腰痛患者に対する「運動鍼治療(MSAT)」の有効性」についてです。

海外論文要約:急性腰痛患者に対する動作鍼療法(MSAT)の有効性

今回ご紹介する論文は、韓国の研究チームが実施した「急性腰痛の入院患者に対する腰椎運動型鍼治療の有効性:実践的ランダム化比較試験」です。

この研究は、交通事故による急性腰痛(aLBP)患者の痛みを軽減し、機能障害を改善するための運動鍼治療(MSAT)の有効性と安全性を検証することを目的としています。

研究の概要:

  • 対象: 交通事故による急性腰痛で入院した患者96名(19~70歳)。
  • 方法: 患者は2つのグループに分けられました。
    • MSATグループ(48名): 通常の統合韓国医学(IKM)治療(鍼治療、薬鍼治療、推拿手技療法、漢方薬)に加え、入院中に3日間のMSATセッションを追加で受けました。
      MSATでは、腰痛に関連する主要な3つの筋肉(腸腰筋、腰方形筋、梨状筋)のいずれかを選択し、鍼を刺入した状態で患者に能動的または受動的な運動を行わせます。
    • 対照グループ(48名): IKM治療のみを受けました。
  • 使用された鍼: この研究では、ドンバンメディカル製の使い捨てステンレス鋼鍼が使用されました。特定の筋肉には、40×0.30mm、50×0.30mm、60×0.30mmといった異なるサイズの鍼が用いられています。

主な結果:

  • 治療開始時の平均NRSスコア(痛みの数値評価尺度)は両グループともに6.7でした。
  • 3回目のMSATセッション完了後(主要評価項目)、MSATグループの平均NRSスコアは3.76であったのに対し、対照グループは5.32でした。MSATグループは対照グループと比較して、統計的に有意に痛みが軽減されました(差は1.56、p<0.001)
  • MSATグループでは、VASスコア(痛みの視覚的評価尺度)も有意に低く、腰部の可動域(ROM)も全ての方向で対照グループより有意に改善しました。
  • 両グループともに長期的な痛みの改善傾向は見られましたが、MSATは治療の早期段階でより迅速な痛みの軽減効果を示しました。
  • 副作用(AEs): 治療に関連する副作用は合計10例(各グループ5例)で報告されましたが、ほとんどが軽度(めまい、掻痒感、内出血など)であり、特別な治療なしに自然に解消しました。この結果から、MSATは人体に大きなリスクをもたらさない安全な治療法であると結論付けられています。

引用元:
急性腰痛の入院患者に対する腰椎運動型鍼治療の有効性:実践的ランダム化比較試験
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0965229924000232

臨床現場での活用のヒント

この研究結果は、日々の臨床において、特に急性期の患者様に対して「早期の痛みの軽減」と「機能改善」がいかに重要であるかを改めて示唆しています。

論文では、動作鍼療法(MSAT)の即効性のある効果について、患者様の「痛みに関連する恐怖心」を軽減する可能性に言及しています。
腰痛患者は痛みやその悪化への恐怖から動きを避ける傾向があり、これが慢性化や機能障害につながることがあります。
動作鍼療法(MSAT)では、鍼を刺入した状態で動かすことで、この恐怖心を和らげ、可動域を改善する効果が期待できると考察されています。

患者様が治療中に感じる痛みや不快感は、鍼灸治療の継続を妨げる大きな要因となり得ます。この研究で用いられたような、切皮・刺入時の痛みを和らげる高品質な鍼は、患者様の不安を軽減し、安心して治療を受けていただく上で極めて重要です。痛みが少ないことで、患者様はより積極的に治療に参加でき、結果として治療効果の実感にも繋がりやすくなります。これは、先生方が患者様との信頼関係を深め、リピート率を向上させるための重要な要素となるでしょう。

まとめ

今回ご紹介した研究では、急性腰痛患者に対する動作鍼療法(MSAT)が、早期の痛みの軽減と機能改善に有効であることが明らかになりました。特に、鍼を刺した状態での能動的・受動的な運動が、痛みに対する恐怖心を和らげ、可動域を改善する重要なアプローチとして注目されています。

また、この研究では高品質なディスポ鍼(ドンバンメディカル製)が使用され、患者様に不快感や副作用が少ないことも確認されました。これは、臨床現場において患者様の不安を軽減し、安心して治療に臨める環境づくりに役立つポイントです。

コメント:臨床で導入する際の注意点

動作鍼療法(MSAT)では、鍼を刺したまま体を動かすため、体内で鍼が曲がるリスクがある点にも注意が必要です。
細い鍼の使用は避け、十分な太さと強度のある鍼を選択することで、安全性を高めることができます。
施術時は患者さんの動きの範囲やスピードを慎重に管理し、無理のない運動指導を行うことも重要です。

急性期の腰痛患者に対して、より早期に効果を実感してもらえる治療法を模索している先生方にとって、
施術のヒントとなれば幸いです。今後の臨床実践にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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今回の研究で用いられた鍼と同じ、ドンバンメディカル社製のステンレスの鍼をご紹介します!

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